「押すと動くよ」
先月、職場の倉庫の大々的な片づけが必要になりました。
地下まである広い倉庫には、(スタッフにわかる)商品の在庫や備品の他に、何十年も積んだままになっている混沌コーナーも。
その日、わたしが1階の棚を整理していると、社長が地下の混沌コーナーからダンボールを持って来て「捨てておいて」。
分別してゴミにしようと中身を確認すると、小さなプラスチック製のロボットっぽいものを発見しました。
昔は店でおもちゃも扱っていたのです。
出てきたのは、店頭ディスプレイ用の展示セットで、ロボット3体と並べる台。
ぜんぶきれいなまま残っていました。
台の手前の赤いボタンのまわりには「押すと動くよ」と表示されるようになっていて、電池でロボットが動くようです。
ロボット自体の価格は1000円と書いてあるので、かなり古そう。
検索すると、1991〜1993年に発売されていたシリーズでした。
ついでに「もしかして」と、メルカリでも検索すると、すっごく「似ている」ものが、何と!59000円で売れています。(中古なのに)
どうしよう!捨ててって言われたんだから、勝手に売って儲ける?
しかし、正直者でいたい小心者のワタシ。
社長に「先ほど捨ててと言われたのですが、もしかしたら欲しい方がいるかもしれないので、売ってみてもよいですか?」
「あー、好きにして」
「はい。後ほど報告します」
かさばるのに、わざわざ持ち帰り、一生懸命撮影し、ドキドキしながら出品しました。
新品なので6万円で。
しかし。
全く反応がありません…。(アクセス数でわかる)
すごく似ていた59000円で売れていたモノは、ロボットの種類がちがっていて(多分人気キャラクター)ボタンのまわりの表示は「押すと動くぞ‼︎」でした。
倉庫から出て来たのは「押すと動くよ」。
「ぞ」と「よ」のちがいが何なのかわからないけれど、誰にも欲しがられていないことは、たしかです…。
まー、そんなものでしょう、と放置していると。
数日前、3体のうち1体だけ2万円でバラ売りして欲しいというコメントが届きました。
「子供のころの思い出があるずっと探していた商品です」
すぐに「おじゃまでなければ、まとめて2万円で」とお返事し、ご購入いただきました。
きのう無事到着したとのことで、「電池をいれたらキャラクターの動作確認が出来ました。探していたものがやっと手に入り感動しています」。
よかったー。
そして、きょう。
出勤したときに、手数料と送料を引いた16950円を渡して報告すると、おどろきながらも普通に受け取る社長。
でも数分後に呼ばれて6950円くれました♪
わーい!お手当だー。
あの日、たまたまダンボールを受け取ったのがワタシでよかったです。(他のスタッフだったら確実に捨てている)
まず、ロボットたち。
ゴミにされず、大切にしてくれる人のところに行けてしあわせ。
探していたロボットと出会えて、購入者さんもしあわせ。(高かったと思うけれど)
メルカリも手数料で儲かった。
社長はきっとお金より「へー、メル何とかで売れたんだー」と、ちょっと楽しい気分。
わたしは(ネコババしないで)きもちよく6950円もらえたし、何より購入者さんがよろこんでくれたのがうれしくて、しあわせー。
「三方よし」を超えて「五方よし」?
あたたかいきもちでいっぱいになりました♪
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