歌舞伎座の西
4月に続いて「桜姫東文章」の後半を見て来ました。
お話は、もうほんとうに「歌舞伎じゃなかったらありえない世界」で、殺人場面も「様式美」として堪能。
何度も心の中で「大和屋っ!」「松嶋屋っ!」と声をかけ、大きな拍手をおくりました。
しかし、玉三郎と仁左衛門の美しさは36年経っても全く変わりません。(3階席なので)
イヤホンガイドの幕間のインタビューでも、おふたりとも(インタビューは別々のようす)何十年も経った気がしない、と話されていました。
仁左衛門さんが「ひとつだけちがうのは終演後の疲労感」って。(77さいです、当然かと…)
今回は西(舞台に向かって左脇)だったので、花道は全く見えません。
下から声が聞こえるだけなので、3階西席には「見えなくてさみしい連帯感」のようなモノが…。
こんな世の中でなかったら、隣り合わせた知らない方と、おしゃべりを楽しんだりもしたのですが、いまは会話は禁止。
でも、ちょっとうれしいことがありました。
大詰めに近づいたときに、左隣の年配の女性がバッグから飴玉を取り出し、わたしにも差し出してくれたのです。
マスクの下で「ありがとうございます」を言って、いただきました。
帰りがけに「こんな時期でなかったら、おしゃべりをしたかったです」と言うと、遠方から来ていて、3部見て、きょうは泊まり、とおしえてくれました。
いま頃はお芝居の余韻を楽しんでいらっしゃるでしょうか?
きょうの席からは、見下ろすと1、2階席、少し右を見上げると3階席が見渡せたので、半分以下しか観客を入れられない状況がよくわかって、切なかったです。
それでも、こんな中、上演してくれて、ありがとうございました。
歌舞伎座が満員になる日が早く来ますように!
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