ねごとたわごとひとりごと

59さい*楽しい貧乏工夫ひとり暮らし

図書館本「私の家」

多分新聞の読書欄を見て予約したのだと思います。

やっとまわってきて読みました。

装丁がかわいくて、持ち歩くのがうれしい本でした。



青山七恵さんの「私の家」は、家族三世代をめぐる連作です。


さいしょの方の四十九日の法要場面に、おおまかな登場人物が出て来るのだけれど、まだ誰がどんな人だかよくわかりません。

そのうちに、ひとりひとりの声や姿がはっきりとしてきて、それぞれの過去、いろいろな事情、いま思っていることなどが、わかってきます。

特に派手なことは起きないのだけれど、言動がみんなその人っぽくて、いちいちおもしろかったです。

いいところも悪いところもある、すきな人たちばかりでした。

伏線?のまま、回収されていないエピソードもあるし、彼ら彼女らの続きの人生や、まだあきらかになっていない、あれこれが気になります。

続編、あるのかなあ。


青山七恵さんは、ずいぶん前に新聞小説を連載していたこともあるし(読売の夕刊。挿絵もかわいかった)、本も何冊か読んでいます。

使うことばの種類がすきで、いつも好ましいと思って読んでいるのですが、ちゃんと内容までおぼえている作品は、ないかも、です。(失礼な読者でゴメンなさい)


でも、彼女の作品に限らず、本に限らず、映画もドラマも、もはや、ほぼ、おぼえていられないのです。

100のうち1くらいしか記憶に残りません。

昔、見たり読んだりしてすきだったモノの記憶は、いまでもこんなに鮮明なのに…。

老化って、かなしい。

でも、だからこそ、いまの年齢になってから見たり読んだりしたのに、しっかり記憶に残るモノというのは、ほんとうの意味で「わたしにとっての名作」なのだと思います。

なかなかないからこそ、そんなモノに出会えることを期待して、見たり読んだりを続けるのでした。

そして、こうやって記録に残すことで記憶にも残り、ついでに老化防止にもなることを…期待しています。