図書館本「私の家」
多分新聞の読書欄を見て予約したのだと思います。
やっとまわってきて読みました。
装丁がかわいくて、持ち歩くのがうれしい本でした。
青山七恵さんの「私の家」は、家族三世代をめぐる連作です。
さいしょの方の四十九日の法要場面に、おおまかな登場人物が出て来るのだけれど、まだ誰がどんな人だかよくわかりません。
そのうちに、ひとりひとりの声や姿がはっきりとしてきて、それぞれの過去、いろいろな事情、いま思っていることなどが、わかってきます。
特に派手なことは起きないのだけれど、言動がみんなその人っぽくて、いちいちおもしろかったです。
いいところも悪いところもある、すきな人たちばかりでした。
伏線?のまま、回収されていないエピソードもあるし、彼ら彼女らの続きの人生や、まだあきらかになっていない、あれこれが気になります。
続編、あるのかなあ。
青山七恵さんは、ずいぶん前に新聞小説を連載していたこともあるし(読売の夕刊。挿絵もかわいかった)、本も何冊か読んでいます。
使うことばの種類がすきで、いつも好ましいと思って読んでいるのですが、ちゃんと内容までおぼえている作品は、ないかも、です。(失礼な読者でゴメンなさい)
でも、彼女の作品に限らず、本に限らず、映画もドラマも、もはや、ほぼ、おぼえていられないのです。
100のうち1くらいしか記憶に残りません。
昔、見たり読んだりしてすきだったモノの記憶は、いまでもこんなに鮮明なのに…。
老化って、かなしい。
でも、だからこそ、いまの年齢になってから見たり読んだりしたのに、しっかり記憶に残るモノというのは、ほんとうの意味で「わたしにとっての名作」なのだと思います。
なかなかないからこそ、そんなモノに出会えることを期待して、見たり読んだりを続けるのでした。
そして、こうやって記録に残すことで記憶にも残り、ついでに老化防止にもなることを…期待しています。
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